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その後ろ姿を見て本当に隣に立っていいのかと、不安に襲われた。
ホテルまでの帰り道を遠回りして実家に寄ってしまった。思い出のある家でこれから父が新たに愛する者たちと過ごしていく。ソレを身代わりにした彼の傍で見続けることなど出来るのだろうか。
ソレばかりが頭を巡った。
「お母さん・・・・・・」
優しくて父の最愛の人だった母が生きていてくれたらこの感情を圧し殺して生きていけた。きっとこんなふうに誰かを身代わりにしてずる賢く生きる路にも入らなかった。
「ごめんねっ・・・酷い、娘だよねッ。」
死んだ母を責めるなどお門違いだ。
♪~♪♪~~
「はい。」
「お届け物がございますのでお早めにホテルにお戻り願えますか?」
「判りました。」
自分にホテルから連絡があるのは、珍しい。
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