第9章  運命にも、サヨウナラ

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    斈さん。彼を選んだのは、あなたに似ているからです。最低な人間です。  それでも私は、斈さんと生きていこうと頑張ってみました。でも・・・ダメなんです。やっぱりこの心に存在(イル)のは、あなたなんです。  あなただけなんです。  この気持ちを持ったまま。棄てられないまま彼の隣に立つことなんか出来ない・・・そう私は、理解しました。  だからこの想いを全てあなたに書き記して旅立つことを決めました。  本当に、ごめんなさい。身寄りもない私を家族(ムスメ)として受け入れてくれて優しくしてくれてあなたなりの〝愛〟をくれてありがとうございました。  あなたの望む気持ちに私は、応えることが出来ません。  あなたも私の望む気持ちに応えられないのだと判っています。  だからこの結末は、必然だったのです。   
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