第10章  初恋心中。

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   「お願いです。君が居ないなら、生きていたくない。」  手を握られて真剣に言われる。あの仄暗い瞳が見据えている。 「でも・・・斈さんはっ」 「写真を、見ましたよね?」 「はい。」 「アレは、姉です。血が繋がっていようと心から愛した人です。でも姉は、政略結婚に絶望して1人で逝ってしまいました。後を追うことも出来ずに生きてきました。  そうして君に出逢った。  君の視線の先には、いつも幸隆(オトウ)さんが居た。君も苦しい恋をしているのだと・・・すぐに判った。君が私を〝身代わりにしている〟と気に病んでくれていたけれどそれは、こちらの方こそだ。  姉に似ている君を攫った。お互いさまなんですよ、月杏。」  そうではないかと思っていた彼の話しをようやく訊けた。 「私で、いいですか・・・?」   
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