浮気について―オレンジタルトをデザートに―

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 第六感、虫の知らせ、女のカン。  いろいろと呼ばれ方があるそれ。  それが私の旦那、山路(やまじ)拓人(たくと)から、ただならないもの、隠しごとの気配を感じ取った。 「あれ? 拓人、もしかして浮気してる?」   こんなストレートに聞くものではないとは思うけど、私はそう聞いてしまった。 「嫌だなぁ、突然。何でそう思うんだよ。」  すると、拓人からの返事は疑問形。否定ではなく、疑問で返された時は要注意って、何かの雑誌に書いてあった。怪しいと思った私は、さらに尋ねた。 「どっち? してる? してないの?」 「……何を言い出すのかと思えば。もうそろそろ寝るね。おやすみ。」  と、結局拓人は、イエスともノーとも答えずにリビングを出ていった。
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