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作家という仕事は、読書が好きだった子どもの頃からの憧れだった。少年時代は、野球やサッカーの選手をカッコいいと思った事もある。
それでも、自分の作った物語が誰かの心を動かしたり、自分が死んだ後も作品を残す事ができたりする作家という仕事は、とても素晴らしい職業のように感じていた。
そんな夢を密かに抱えたままの私は、三十路が目前になっても、休日はもやもやと一人空想にふけり、物語を書いて過ごしていた。
あるいはそんな暮らしをしているから、白昼堂々夢でも見たのかもしれないと、あの時は考えていた。
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