メローイエロースーパームーン

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8月のある日。 僕が、朝、目覚めると、世界は、滅亡していた。 といっても、何も特に変化は、なかった。 ただ、人間だけが消えてしまった。 僕は、誰か、他に人間がいないかと探すために街へと出た。 が、誰一人、見かけることはなかった。 結局、一日、探してみたが、わかったのは、僕の他には、誰もいないということだけだった。 2日目も、誰も見つけられなかった。 この街は、小さな街だ。 僕は、もっと、大きな街へと行くことにした。 3日目、僕は、この街の外へと向かって歩いていた。 その時だった。 一台の車が通りがかり、僕の横でぴたりと止まった。 「君、もしかして、地球人?」 その4WDの車の窓から顔を出したドレッドヘアの男が、僕にきいた。 僕は、頷いた。 男は、助手席の黒髪のおかっぱ頭の女と、何か、聞いたことのない言語で話していたが、やがて、僕に言った。 「どこまで行くか知らんが、乗せてやるよ」 少し怖かったが、久しぶりに見る人間の姿に、僕は、思いきって車に同乗させてもらうことにした。 ドレッドヘアの男は、オレフと名のった。 「俺は、M-78星雲からきたんだ。まさか、地球人が生き残ってたとは、思わなかったよ」 「ハル。渡辺 ハルです」 僕は、名のった。 助手席の女は、僕によく冷えたコーラをすすめてくれた。 「あたしは、ニコ。よろしくね。地球人のハル」 僕たちは、しばらく、国道沿いに走っていった。 海が見える頃、彼等は、僕に、地球が宇宙人の手で滅ぼされたということを話してくれた。 「地球人類滅亡計画」 オレフは、言った。 「地球上の人類は、悪い種だから、滅亡させようということになってね」 「じゃあ、人間は、僕以外は、みんな、いなくなってしまったんですか?」 僕は、きいた。 彼等の話は、とても信じられない話だった。 だけど、信じるしかなかった。
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