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今のところ、僕以外の地球人には、出会うことがなかったのだと、オレフは、言った。
「何故、君だけ、残ってしまったのかは、わからない。だけど、上からは、生残りがいたらどうするかまでは、言われてないからなぁ」
「そうねぇ、上に相談してみるしかないわね」
ニコも、言った。
「それまでは、あたしたちと、のんびりバカンスを楽しみましょう。ハル。何処か、行きたいところは、ない?」
「特に、ないです」
僕は、言った。
ニコは、拍子抜けしたみたいに言った。
「どこにも、行きたいところがないの?」
僕は、頷いた。
どうせ、何処に行っても、もう、他に人間はいないのだ。
今さら、何処に行きたいこともなかった。
「仕方ないわね」
ニコは、言った。
「この辺りをのんびりとドライブでもしましょう」
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