君が産まれた時のこと

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君が産まれた時のこと

「君はもうすぐ産まれるよ。  新しい命として産まれるよ。  どういうふうに産まれたい?」 目は二つ欲しいな。色んな物が見たいから。 耳も二つ欲しいな。色んな音が聞きたいから。 口は一つでいいよ。ゆっくりご飯を食べたいから。 鼻も一つでいいよ。お父さんとお母さんの匂いが混ざらないように。 足は二本で大丈夫。いつか自分で立ってみせるから。 腕は二本欲しいな。お父さんとお母さんと手を繋げるように。 心臓は一つでいいよ。命を大切にするために。 心は一つで充分さ。いつか出会う大好きな人はたった一人だけだから。 「これで君のできあがり。  さあ、お父さんとお母さんに会いに行こう」 はじめまして、お父さん、お母さん。 やっと会えたね。
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