1人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
同僚
トントンと肩を叩かれる。同僚のユウタだ。いつもハデなネクタイをしている。センスがいいとは思えない。
「ツヨシ、今晩ヒマ?」
「またかよ」
今まで何度ものことだから分かる。合コンへの誘いだ。ツヨシは高校の頃付き合っていた彼女と卒業を機に別れてフリーではあった。だけど朝イチからそんな話は聞きたくない。腕時計を見る。その様をユウタは見逃さない。
「8時から。かねやんで。じゃっ」
ツヨシの答は聞かれることもなかった。フッとため息をつく。ツヨシはユウタ程、生活に女を必要としなかった。それについてはユウタから、オマエマジメ過ぎなんだよ、と言われていたが、そんなつもりはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!