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外を歩くと吐く息が白くなり、手も悴む師走の暮れの晩、家の前で俺は帰宅途中の愛加にばったり会った。俺も、帰宅途中だったから、びっくりしながら、そこに居た。愛加は、こんばんは!と言って、家に入っていった。にっこり笑顔は、昔と全然変わらなかった。俺は、緊張して、しどろもどろしながら、こんばんはと言った。玄関に入ると、心臓の鼓動が、いつにも増して、せわしなく動いていた。胸に手を当て玄関から逃げるように小走りで中に入った。俺は、こたつでみかんを食べていたら、家で飼っている猫が擦りよってきては、ご飯を強請った。さっきあげたじゃないか。そう思いながら、ミルクを餌入れの横のコップに入れた。次の日も、俺は机の上で同じ時刻に勉強をしている。
今日は朝焼けが藍色と黄色のグラデーションが綺麗だ、そう眺めていると今日もいつものように愛加がいた。紙に愛加へのメッセージを書いて、紙飛行機を飛ばしてみようと思って、どう反応するだろうかドキドキしたが、飛ばした。
ちょうど愛加の前にひゅっと飛行機は降りた。
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