色男、どっちが無駄かと、腕を組む。

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 そしてこの話、私はなぜか、ものすごく気になった。  社長さんはGくんに、タバコに金を遣うのは無駄だと言った。  けれど、毎日いい店で、いいもんに(わからないけど、きっと銀座とか? 値段の高い店、食事を指しているのだろうと思う)金を出すのは、無駄じゃないのだと言っている。  Gくんはそれに対して、きっと真面目に考えたのだろう。 「どっちが無駄だっつぅの。」  と、Gくんは、その社長さんの言い分に小腹が立ったままでいるらしかった。  余談だが、その時、腕を組み、真面目に考えている様子を見せたGくんを、私は少し見直した。仕事中でも、中々見ることが出来ないような表情だったもので、そんなところもあるのだな、と。
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