色男、どっちが無駄かと、腕を組む。

15/18
前へ
/18ページ
次へ
 私は、世にいう「ためになる、いいこと」なんて、この社会のルール内で、自分が生きていきやすくなるためにあるのだ、と思っている。社会に身を置いている以上、稼がねば生きていけないし、それには「ためになること」の蓄積もある程度必要。それがなければ世間の中で、浮いてしまって、生きにくくなってしまうかもしれないし。  映画の沈黙シーン、漫画の真っ黒いだけのコマに、小説の「……」、人が描かれていない風景画。  それらを、無駄と切り捨てた人もいた。  けれど、作者からしたら意味もあるのだろう。  無駄だけど、その無駄こそが必要だという主張もあるし、そこにはやっぱり情緒も見える。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加