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暫くして、水島があの般若の面が入った箱と写真を手に下に降りてくる。
「それ・・・・・・」
「ああ。取り敢えず水島さんから日引さんに渡してもらおうって思ってさ」
俺は少しだけ安心した。この面と写真が原因なのかは定かではないが、気味が悪いものが家からなくなってくれるのはありがたい。
「そ、そうなんだ。水島さんお願いします」
俺は頭を下げた。
「うん。お役に立てるかどうかは分からないけど、僕もこれを見た瞬間に変な感じがしたから、橋本君の言う通り本物だと思うんだ。でも、僕には温かさは感じなかったけどね。後は日引さんにこれを見てもらって・・・・・・あ、大福買って行った方がいいかな・・・・・・でもそれは前に渡したから、果物・・・・・・」
また一人でブツブツ言い始める。
「ハハハ。水島さん。よっぽど日引さんの事怖いんすね」
橋本が笑う。
「いや。怖いって言うか・・・・・・ん~ある意味こわいかもしれないなぁ」
また一人ブツブツが始まる。
「これからすぐに出ますか?」
「そうだねって言いたいところだけど、すまないけどお水貰えないかな。喉が渇いちゃって」
申し訳なさそうに水島は言う。
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