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「今回の本物だよ」
「本物・・・・・・」
「ああ。さっき俺あの般若の面を付けただろ?」
「ああ」
「そしたらさ温かいんだよ。マジでびっくりした。人肌の温かさに近いんだ。で、早速水島さんに連絡したって訳」
俺は橋本の隣で相変わらずニコニコしながら座る水島を見た。
「僕も驚いたよ。お面にまつわる話って言うのはよく聞くんだけどね、生きているお面なんて言うのは初めてだからね」
「生きてる?」
「そう。あれは生きてる。間違いないよ」
橋本は自分の頬をさすりながら言った。お面の温かさを思い出しているのかもしれない。
「あ、あのさ、まだ俺話が良く見えてないんだけど。今回のが本物だからって何で、水島さんを呼んだんだ?霊媒師か何かなんですか?」
相変わらず水島はニコニコしながら
「いやいや。僕は霊媒師じゃないよ。ただ、無類のオカルト好きってだけさ」
(じゃあ。興味本位で来たって訳かよ)
俺は少しムッとした。
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