日引

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「見たかったって・・冗談じゃないんですよ⁈あんたは面白半分でいるかもしれないけど、こっちは自分の家に訳わかんないのがいて、それで・・・・・・それで、あんなの見て。ふざけんなよ!」 怒りと一緒に悲しみも湧いてきた。今更ながらに両親が死に、その両親が住んでいた家。俺が育った家に得体のしれないものがいる。俺は半分泣きながら水島に怒鳴り散らした。 「お、おい」 橋本は驚きながらもどう言っていいのか困っている。 水島は黙って聞いていたが、車を路肩に止めると俺の方を振り返り 「すまなかった。確かに君の気持ちも考えず不謹慎だった」 と頭を下げる。俺はそんな水島から顔を背ける。 「これから、さっきも話した日引さんの所に行こうと思う。信頼できる人だし安心して。あ、その前に大福買って行かなくちゃ」 そう言いながら車をガタガタと再スタートさせる。橋本は何も言わずに黙っていた。
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