日引

17/18

86人が本棚に入れています
本棚に追加
/250ページ
声を聞いた水島は玄関から外に出ると 「あ、日引さん。外にいたんですね。すみません連絡もなしに突然お邪魔して」 「ふん。あんたはいつもそうだよ」 と日引は鼻を鳴らしながら俺と橋本を交互に見た。 「ふん。随分厄介なものを連れて来たもんだね」 俺はその言葉を聞きドキリとした。 「すみません。是非日引さんに聞いてもらいたい事があって。あ、これどうぞ」 早速、手土産で持ってきた大福の包みを日引に差し出す。 「無理だね。今日は忙しいんだよ。あ、それは玄関にでも置いといておくれ」 と言うとさっさと庭の方へ行ってしまった。風のように来て風のようにいなくなった日引に、俺と橋本は唖然としてしまう。水島は 「ハハハ。しょうがないね。また後日にしよう」 と、大福を玄関に置くと帰ろうとした。 (え?これで終わり?後日って・・・・・・) すると、庭の方から 「みずっち。明日来な」 と日引の声がした。 「分かりました。お願いします」
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加