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声を聞いた水島は玄関から外に出ると
「あ、日引さん。外にいたんですね。すみません連絡もなしに突然お邪魔して」
「ふん。あんたはいつもそうだよ」
と日引は鼻を鳴らしながら俺と橋本を交互に見た。
「ふん。随分厄介なものを連れて来たもんだね」
俺はその言葉を聞きドキリとした。
「すみません。是非日引さんに聞いてもらいたい事があって。あ、これどうぞ」
早速、手土産で持ってきた大福の包みを日引に差し出す。
「無理だね。今日は忙しいんだよ。あ、それは玄関にでも置いといておくれ」
と言うとさっさと庭の方へ行ってしまった。風のように来て風のようにいなくなった日引に、俺と橋本は唖然としてしまう。水島は
「ハハハ。しょうがないね。また後日にしよう」
と、大福を玄関に置くと帰ろうとした。
(え?これで終わり?後日って・・・・・・)
すると、庭の方から
「みずっち。明日来な」
と日引の声がした。
「分かりました。お願いします」
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