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そう言うと、庭の方に行きもせずに車に戻って行く。俺達は慌てて水島の後を追い車に乗る。すぐに橋本が
「あの水島さん。あの人が日引さんですか?」
「ああそうだよ。凄いばあさんだろ?確か・・・・・・八十は超えてると思うんだ」
「八十・・・・・・大丈夫ですか?」
「何が?・・・・・・あ、あんなばあさんでって事?それは心配ないよ。人は見かけによらないものさ。俺が保証する」
自信たっぷりに水島は言うが、俺はあてに出来るのか不安だった。それより・・・・・・
「あの、水島さん」
「何?」
「日引さん。俺達を見て、「厄介なものを連れてきた」って言ってましたけど」
「ああ言ってたね。大丈夫だよ明日分かるだろうから。それよりこのまま君の家に送って行っていいのかな?」
それは困る。あんな所に帰る勇気はない。俺は黙っていると橋本が
「しゃあないな。うちに来いよ」
と言ってくれたのでホッとして甘える事にした。
その後、水島は日引との出会いを一人で熱く語っていたが俺の耳には届かなかった。
(厄介なもの・・・・・・何なんだよ)
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