決行

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「チ・・・・・・」 きぬが声を掛けようとした時だ。 「きぬは嘘をついてるね」 「きぬは嘘をついてるね」 ドキリとした。 「お母さん居ないもんね」 「お母さん居ないもんね」 「私知ってるの。皆私達の事嫌いなんだよ」 「私も知ってる」 「嫌いだからあんな小さな小屋に入れられてるんだよ。それにねこれも知ってる」 「私も知ってる」 「お母さん死んだんだよ」 「お母さん殺されたんだよ」 きぬの足はガタガタと震え出す。今まで必死に耐えてきたものが、コップから水があふれるように限界が来たからだ。
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