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橋本
水島に送られ、橋本の家に着いた。
橋本は少し厳しい表情をしながら家の玄関を開けた。家の中は静かで、誰もいない様子だ。
「お邪魔します」
俺は一応家の奥の方へ声を掛け、真っ直ぐ二階に行く橋本を追う。高校の時に何度も来たことのある家だ。懐かしい匂いと変わらない家具の配置が俺に安心感を与えてくれる。
部屋に入り
「親は仕事か」
「ああ」
橋本は着替えを始めた。橋本には俺の服は少し小さかったらしい。
「あのさ。あの日引ってばあさんの事なんだけど」
「ああ。何かあの人凄い人なんだな」
散々水島が帰りの車の中で日引についての話をしていたので、すっかり橋本は感心しまくっている。
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