橋本

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「明日、日引さんにお前ん家に来てもらうよう頼もうぜ。それで何もかもわかるんじゃないか?」 橋本は日引に、絶大な信頼を寄せているらしい。 「ああそうだな」 俺は何となく気のない返事を返す。 その後、怖さを紛らわすため学生の頃の話や仕事の話などをしていると夕方ごろ下の階から物音がした。 「親が帰って来たんじゃないのか?」 機嫌よく話していた橋本の顔が一瞬曇り 「ああ・・・・・・」 「挨拶してこようかな」 「・・・行けば」 「え?俺一人でかよ。別にいいけど突然俺だけ行ってびっくりしないかな」 「・・・・・・わかったよ」 橋本は時間を稼ぐようにゆっくりと腰を上げ部屋を出る。 二人で階段を降りていくと、その音に気がついたのか驚いた顔をした橋本の母親が階段の所まで来て俺達を見る。自分の息子と俺だと気がついた瞬間ホッとした表情に変わり 「何だ。あんた達だったの。泥棒かと思ったわ」 と、今来た方へ戻って行った。
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