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「申し訳ない。メイクまで落としてしまいましたか…」
私は思わぬ反応に拍子抜けし、被っていたウィッグを落としてしまった。警官は笑顔で落ちたウィッグを拾った。
「何か、落ちましたよ」
このままでは終われない。こう見えても私は妖怪だ。警官の持っていた懐中電灯を手に取ると、下から自分の何もない顔を照らした。
ここまですれば、さすがの警官も私の正体がわかったようだ。
「え…のっぺらぼう!?」
「……」
さあ、ここまでやったのだから驚いてちょうだい。そう思いながら警官を凝視すると、驚くどころか悩ましい表情で私を眺めた。
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