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ほたる祭りの夜2
地獄の「吊るし上げ」会が終わったあと、外出する部員たちを見送りながら、堂宮は一緒にランチにいってくれそうな同僚を探していた。ふと目があったのが、となりの首都圏第1営業部に所属する同期の中野美弥子だった。
中野は快活な元気キャラでしられる部内の人気者だった。
いまひとつうだつの上がらない堂宮からすれば、多少声をかけづらい相手ではあったが、目があってしまった関係上、無視するわけにもいかない。堂宮は、彼女に声をかけることにした。
「お昼どうする?」
美弥子は、印象的な笑みをなげかけながら応えた。
「一緒にいこうよ」
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