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2、有馬上司との飲み会
柊茜はキラキラした顔で嬉しそうに有馬優也に
「有馬上司、今日はお酒の席にご一緒させて頂きありがとうございます。」
そう言えば有馬優也は軽く頷き
「柊さんは、いつも頑張っているからね? 今日は私の奢りだ、さぁ、好きなだけ頼んで飲んで英気を養ってくれ」
そう言いながら有馬がワイングラスを手に持つと柊茜に向かって
「私達の明日に」
そう言いながらグラスを少し持ち上げたので茜も慌てて
「わっ、私達の寄り良い明日に」
と言った。
お互いに
「乾杯」
そう言いながらグラスを持ち上げると
一緒に赤ワインを口に運ぶ。
初めて飲む、ワインの味はすごく渋くてどこが美味いのかわからなかったが、それでも、何も言わずに飲んでいれば急にクラクラしてきた。
「ん? どうした? 柊さん」
慌てたように倒れかけた私の体を
支えると
「おや、酒は初めてだったかな?」
そう言いながらグラスをテーブルに置くと解放する為にコートをシワにならないようにぬがし始めた。
コートをハンガーに掛けると個室の空いたスペースに寝かせてベルを鳴らした。
店員が飛んでくれば
「水と濡れたおしぼりをもうひとつ頼めるかな」
手際よくお願いして、心配そうに柊茜を見つめれば茜がやがて目を覚ました。
「す、すみません、お酒初めてで」
そう言いながらすごく申し訳ない様に頭を下げれば
「いや、気を使わなかった、こちらも悪い、ならば、これならどうかな? それとも、ノンアルにするかい?」
そう聞かれて茜は慌てたように首を振り
「慣れないとですよね? 営業部ですし」
そう言いながら困った顔をすれば頷くと
「うちの、部は他とは違い、酒の席で接待する事もある、慣れてもらわないと……。
たしかに困るが、酒はそれと同時に楽しく飲むものだと私は思っていてね?
だから、苦手なら、無理に飲む必要は無いよ」
そう言いながら微笑まれて茜は首を降った。
「嫌です、やらせてください、やらないで諦めるのはもっと嫌なんです」
そう言いながらグラスをとると一気に煽った。
「お、おい!」
少し怒った口調が気になったが
それでも飲み干せばクラクラとまた頭が混乱したようになる。
「あ、あれ? お星様が、見えます、えへへ、有馬上司」
そう言いながらフラフラした足取りでおぼつきそうに歩こうとすれば、有馬によって抱きしめられると
「少しじっとしていなさい」
そう言いながらため息を疲れて茜はムッとした顔をした。
「子供扱いはしないで、それに私、有馬上司の事好きなんだ・か・ら」
と言うとヒックっとしゃっくりをすれば
「よっているな? 柊さん、だめだよ、酒は煽ると、あとが辛いよ」
そう言いながら茜の体をさすればその手を茜が払い首を左右に降ると
「本当よ、本気なんだからね」
そう言いながらズンズンズンとつめよれば有馬は困った顔をする。
やがて、少し考えた顔をした末
「本気なのか? 俺と、本気で付き合いたいと?」
そう言いながらいつの間にか外された眼鏡に戸惑う茜。
「ワインも、ろくに飲めないくせに」
そう言いながらそっと、微笑むと
「可愛い顔して酔った勢いで、こんな事を言うなんて」
そう言いながら頬を撫でながら
「俺を惑わすからには覚悟してもらうことになるけど良いのか? 本当にそれでも」
その言葉は酒のせいか? 酔ったせいか?
やけにかっこよく聞こえて……。
「構わないから付き合わせて、なんなら、今日、今晩貰ってくれても良いよ? 私、初めてだし」
そう言いながら頬を撫でる手にそっと、手を重ねると
「そちらも、いろいろ、ご指導して欲しいです。 有馬上司」
そう言いながらその場ですやすやと眠り始めれば
有馬は一人ため息をつく。
「私の気持ちも知らないでよく寝れるな? さて、先程の答えはどうしようかな?」
そう言いながらすごく困った顔をした。
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