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長野に一泊して、翌朝東京に向かった。
夕方の便で香港に戻る予定だった。
東京駅には午前10頃着いた。
一瀬君のマンションに寄るつもりで、長野を早めに出て来た。
一瀬君に会いたかった。
葵に話して、ゆり子の墓参りをして、自分の気持ちがようやくわかった。
僕は一瀬君を――好きだ。
自分の気持ちを見ないようにして来た。
こんな気持ち、認めたくなかった。
認めてしまったら取返しのつかない事になる気がして。
若い頃だったら好きだという気持ちだけで走れた。気持ちのまま行動出来た。
49才。
臆病になる年だ。
思いきれなくなる年だ。
だけど、真っすぐにぶつかって来てくれた一瀬君にちゃんと応えようと思った。
手遅れかもしないけど、今の気持ちを正直に伝えよう。
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