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ちょっとばかり涼しくなった九月。毎度の撮影を終えて、俺たちはみんなでお茶をしていた。撮影の合間に休憩はあるし、撮影が終わっても、みんなでおしゃべりするのは、やっぱり仲良しだからなんだろうな。
伊織先生の用意する紅茶やお茶菓子は美味しいから、俺はこの時間が大好きだ。お茶菓子をぽりぽり食べる俺の横でうたうものさんが、タッくんにこの前行った星空観測スポットの話をしている。
「すっごい良かったですよ!みんな行くべきですよ!」
熱く語るうたうものさんにタッくんは、ほほうと頷いている。
「いいですなぁ。やっぱり五丁目さんに連れて行ってもらおうかな?」
静かに紅茶を口にしていた五丁目さんは、首をふるふると振った。
「申し訳ありません。九月は妻との予定が詰まっているのです。ですがきっと瑠璃くんが連れて行ってくれますよ」
「俺ーーーー!?」
ちょっと待って!ちょっと前にもこんなことあったよ?
「だったら俺も行くーー!」
げたんわくん、挙手。
「私もタッくん様にご一緒します!」
束砂さん、挙手。
「俺もタッくんと行きたーい!」
良くん、挙手。
「お父さんも瑠璃と行きたーーい!!」
「私もみんなが星空観測をチャイナ服でしている姿が見たいのーー!」
「親父と伊織先生は駄目ーー!!」
なんで前回とほとんど同じやりとりしてんだよ!?
前回と全く同じく伊織先生に星空観測しているみんなの動画を送ることと、星空観測している最中に俺が親父に電話することを約束して、親父と伊織先生の同行は阻止した。
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