2話 山田陸(おれ)賞金首1億

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2話 山田陸(おれ)賞金首1億

 おれの名前は山田陸、みんなからはやまと呼ばれている。  緊張感のあるときはよく陸と呼ばれている。  おれは子供のころから父親と母親の愛情を知らない、  2人の両親は愛情を注ぎ方を知らなかったのだ。  だけどおれにとって両親よりも大事な存在がいる。  それが元プロレスラーだった祖父だ。  祖父はおれが幼稚園のときにプロレスラーになりたいと言ったら、  いろいろと稽古をつけてくれた。  かくして、とても体が丈夫になった。  祖父が病に倒れて、入院三昧だったとき、  おれのリミッターがどこか外れてしまい、  虐めのリーダーである力也と一緒に笹株をいじめるようになっていた。  プロレスの技を決めるのが楽しくて、  ひたすら笹株にプロレス技をかけていた。  笹株はきっと痛いはずなのであろう、  ときたま肩が脱臼してしまっても、笹株は悲鳴ひとつすらあげることはない、  そしてこのような状態になった。  仲間たち? 女子1人を加えて、おれを入れて10名のいじめメンバーたちだけが結束しそうになっていた。しかし先程まで腕輪を眺めていた林助、通称スケサンは腕輪をはめて、校舎の外へと逃げて行ってしまった。  ここにいる結束の仲間たちは9名だけとなっている。  9名の仲間たちはおれが机やら椅子やらでバリケードをつくったものを、  みんなで押さえつけようと、  ちょっとでも外れないように、ちょっとでも椅子が落下しないように、  いつしかクラスメイト全員で守り始めた。 「いいかげんにしなさい、先生の言うことを聞けないのか、あの賞金は本当かもしれないし、嘘かもしれない、だけど警察に保護してもらおう」  すると力也が怒り心頭に叫び声をあげていた。 「なら、なんでてめーらはハンマーとか斧とか、バットとかナイフをもっているんだよ」
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