② いかなるときも小鳥遊玲は(が)怒られる

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「そりゃ勿論。俺は美咲を信じてるから……不安に決まってるだろ」 「…………」 「…………」  なんとも言えない静寂の後、朝日はぽんと手を打った。このあたかも何か閃いたような動きがどうにも胡散臭い……。  が、とりあえず聞くだけ聞くことにする。 「で、何を閃いたんだいワトソン君」 「誰がワトソン君だ。いや……、むしろコンポスト風カレーの方が良いんじゃないか。ほら、コンポストって茶色いしカレーも茶色……ほら同じだろ?」 「お前はどこのダイビングサークルだ。ちゃんと色以外でも識別しろ!」 「いや、語感だけならポトフとかコンポタに似てないこともないし……たぶん食べれるさ」  そのうち水と酒の区別にライターを使いそうな奴は置いといて。  普通は地中海風みたいに〇〇風って言われると少し小洒落た感じがするが、どう足掻いてもコンポストはコンポストだった。  オブラートに包んで食レポをするならあれだ。よく植物が育ちそうな香り。  ……一時期の豊崎愛生ファンなら容易く平らげそうな気がしないこともないがそれはそれ。
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