② いかなるときも小鳥遊玲は(が)怒られる

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「いや、まあそれくらいならまだ分かる。自分のメールアドレスはどこで確認するのかとかは怪しいけど。……じゃなくて何か用か?」 『昼食の誘いだよ。玲がまだ食べてなければだけど合流しない?』 「……替玉食堂でいいなら」 『了解。じゃあ、五分くらいで着くから待ってて』  タタっとリズミカルに駆ける音が聞こえた直後通話がぷつりと切れた。どこから向かっているのかは知らないが五分で来ようとするあたりが朝日らしい。  朝日は息を切らすことなく、宣言通り五分きっかりで食堂前にやってきた。 「……ごめん待った?」 「いや、全然。てか、女子組はどうしたんだ? さっきゲーセンで会ったけど」 「あー、一応カプリチョーザまで送ってきたけど……。流石に臭いとかカロリー的に女性陣に豚骨ラーメンはキツイかなって」 「ほーん。ちゃんと配慮してるのな」 「ああ、どこかの誰かさんとは違ってね」 「……るせー」 「いや、けど、まあ、配慮ってのは建前と言うかなんちゅ〜か……正直、朝昼とパスタで済ませるのはちょっと男子高校生的にはキツイなと思った……」  女子ってなんかパスタとか好きだもんな。ソースはあの二人。 「……いいんじゃね? 女子同士の方が気楽だろうし。俺らはしっかり食えるしでWin-Winだろ? 何も問題は無い」 「まあ……それも一理あるかな」
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