② いかなるときも小鳥遊玲は(が)怒られる

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 俺は博多ラーメンをバリカタで、朝日は朝食が物足りなかったからか、デラックスラーメンの粉落としを味玉とチャーシュー増しで頼む。 「で、何でお前と飯食うことになったんだっけ? まあ一応、予想はついてるけども」 「ん、ああ。この辺あんま知らないから玲が詳しくてよかった」  おい。 「いや、あんなメール来たから……てっきり単独行動したことでなんか言われるかと思ったわ」 「まあ、それについては今回いいや。それにあんなメールって……そこらで拾ったコピぺに美咲から送られた写真はっつけただけだよ」  朝日にそう言われ再度メールを見てみると、如何にも堪忍袋が切れたと言いたげなスゴ味を感じさせる文面には『覚悟の準備』などの所謂ワ●ップジョ●ノが散見された。 「……さいですか」  したり顔で笑っている朝日にそう言うと、丁度ラーメンが配膳された。 「いただきます」  メニュー通りのこってりとした豚骨スープは噂に聞く獣臭さがなく、気づけば夢中で麺を啜りスープを飲み下していた。  ちらと朝日を見ると、気に入ったのか「あっつ」と言いながらも麺を手繰る手を止めなかった。 「ところで、全然関係ないんだけどさ」 「お、おう」 「今晩『美咲のドキドキ☆クッキング』が開催されるって言ったらどうする?」
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