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167粒目:夢
先日、売り子を務めきってくれた幼馴染に、お礼を兼ねてご馳走をしてきました。
「本当にありがとうございました、助かりました……」
頭も上がらない私に、彼女は、私の拙い作品集を買ってくださった方々の話をしてくれます。
「中学生みたいな子も買ってってくれたよ」
「『よかれと思って』は、もう少し用意したほうが良かったね。そっちが欲しかった人もいたみたいだよ」
「サインないんですか?って聞かれたりしてさ」
「みんな『咲蔵さんいらっしゃらないんですね〜』って言ってたよ」
「愛されてんなあ」
身体がむず痒い思いで、私は「はあ、もう、本当に……」「よしよししていただいてます……」なんて、溜め息のように呟くばかりでした。
自分が出店したわけではないので、様々課題が発見できた機会でした。
しかし、突然一人で出店すると言って好き勝手綴った作品が、完売という結果になったのは、いつも気にかけてくださるエブの皆様と、私の身勝手な頼みを二つ返事で承知してくれた旧友のお陰に他ならないのです。とても「ありがとうございます」という一言では言い表せないのでした。
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