169粒目:出雲大社分祠

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 その日は、日差しのギラつく暑い日でした。  秦野駅に降り立つと、高い空と近くに聳える山に目を奪われます。  なんだか懐かしい気持ちというか、気持ちがわくわくしているのを感じていました。東京に住んで半年、久しぶりの景色に見えたからでしょうか。  人ならざるものの力で聳える自然には、神秘というか、ロマンを感じざるを得ないのです。  停留所を降りて少し歩き、踏切を渡った先にある、関東の出雲さん。途中、何人もの小学生とすれ違いました。 958382f3-e058-48d4-961c-152dfdc2ff9e 0e87e9b8-7b4c-4656-8f29-7dd7e74c758f  巨大な注連縄も、出雲の地を彷彿とさせます。  相模分祠は特に、龍蛇様を祀っているのが目につきました。  龍蛇様となれば、言わずもがな、昨年の松江で行われた朗読公演のタイトルであったわけで……。 1c6d5844-5823-40c5-aa8b-a3cdec777ea3 a2bfe0be-502a-4c25-9f02-8ad072c150e0 802224ae-9fdb-4e3f-bc36-ad117b030a2c  纏わりつくような暑さが蔓延っていたはずなのに、境内に入ると、不思議と心地よい風が吹くのです。
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