ヘテロジーニアス・パートナー

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 全身が、恐怖で震えていた。みんなを守る。そう覚悟も決めたはずなのに、体が動かない。乗り慣れたコックピットが、今は鋼鉄の棺桶のように冷たく感じる。いざ操縦桿を握ろうとすると、強烈な吐き気に襲われる。 (俺は、なんて情けないんだ……!)  心が折れかけたとき、後ろからそっと、彼女が俺の手に触れてくれた。 「大丈夫です。あなたなら、きっとできる。私は信じています」 俺の手に触れる作り物の白い肌は冷たく、俺に話しかける声は機械のように無機質だ。でも、その肌には温もりがある。その声には心がある。それを感じるだけで、体の震えが止まった。恐怖は既にない。もう一度操縦桿に手を伸ばし、今度は力強く握り締める。 「起動シークエンス完了。いつでも行けます」 彼女の声と共に、白亜の機体が唸りを上げる。 「よし、行くぞ!」 操縦桿を前に傾け、俺は戦禍の中へ飛び込んだ。
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