第6章  天使と子獲鳥

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第6章  天使と子獲鳥

1.困惑と選択  フランツはたいそう困惑していた。  昨夜こいつらを二人きりで放置して逃げたのは痛恨の失策だった。  しかしまさかミロウシが勃起阻害剤(通称SS剤)なんて服用してて禁断症状タイムまっさかりだったなんて…知らなかったし! (しかしながら今この悲嘆にくれた撃沈ぶりを見るに… そうとしか推測できない…)  となりでぽろぽろと真珠の涙をとりこぼしているスグルはといえば。 「あれ? 変だな…? ぼく、寝不足なのかな…? 眼が、へん…」  なんて、ぼけたことをかましているし…! (こ~い~つ~ら~わ~…ッ!!)  なんとか、してやりたいとは思う。  思うが。しかし…。?  実のところミロウシ以上の常識人で、保身第一の小心者だと、へんなところで自負しているフランツとしては。 (…おれ自身の利害とは、それ、対立してるな…?)  可哀想すぎて股間に大変よろしくない天使のえろ泣きをまぢかに眺めながら、一瞬だけ考える。 (…ままよ!)  ミロウシや広明への浅い友情よりも当然、煩悩と利己と。  優の笑顔を、択(と)った…。    * 「…スグル。今日、昼休み、A地区のハウスだろ?」 「え? …うん…?」  ふりむいた瞬間に。  また、涙が… ぽろりと。 「おれランチ持ってってやるからさ。…つきあって♪」 「えぇ?」  本来なら外苑作業中の昼休み三時間をくつろいで過ごす為の休憩&仮眠用ハウスは完全個室であって、複数人数での使用は厳禁だ。  特に、「そういう」意味では。  しかしスグルが来て以来、それはほとんど意味をなさない掟となっていた。  完全防音の個室でスグルと二人きりで昼休み♪  ときたら、ソレ以外に、いったいなんの目的があるというのか…。 「…ふらんつぅ~…?」  普段なら速攻でミロウシが止めに入る体調の悪さの優だが。  自責の念の重さのあまりに沈没したまま外界を遮断しているミロウシは、今や保護者として何の役にも立たない。 「…今おれと約束しとかなかったらさ。ほかの連中に、…輪姦されるよ…?」  こそりと。耳打ちした。  ざっと…優が青ざめた。 「え… そ、そう…?」  泣いているスグルが壮絶にえろっぽいから。  という理由は、まるで理解できてなくても。  自然界において、「弱っている個体は、襲われやすい。」という無慈悲な道理なら、優は理解する。  優は意志薄弱で流されやすい性格だと、だから誰にでも構わず尻をさしだしてセックスさせているかのように。  誤解しているやつらが多いが。 (というか、ほとんどの他人からはそう思われているのだが)  違う。  つきあう相手の好き嫌いはかなりはっきりしてるし、断りたい相手には、きっちり断っている。  断られても引かないやつがいるからこそ、レイプ事件に発展するわけで。  今、これだけ心身ともに弱っている優に。  広明が不在の上にミロウシも役立たずで、悔しいが最大最凶の「庇護者」でもあるアーリーの! 睨みも効かなくなってる状態で…  相手をするかどうかの選択権はあくまでも優にある、ということを、まるで理解してない無神経な男や女を、近づけさせたら、…まずい。 「なんで、俺はだめなんだ?」と、しつこく聞いてくる相手に対して、 言葉が無器用な優は「…嫌だから!」としか、説明できない。  ので、事態が悪化しやすい。  そういう時、「先約があるから、今日はダメ!」と答えれば、案外簡単に解放されることは、今までさんざん痛い目に遭わされてきた結果の、経験則としては優も理解していた。 「…おれにしとけ。絶対、からだに負担はかかんないようにしてやっから。  あと…今夜の添い寝係も、おれな?」 「え? うん…、わかった…。」 (信頼の眼でまっすぐに見つめ返してきてくれて、こくんとうなずく仕草が…  可愛い!)  本人の了承を得たので、すかさず優の細い肩をがっしり抱え込んで、周囲の敵どもには 「これは(今日は)俺の!」 アピールで…  ガンをとばしまくる。  フランツは、優ともたいして変わらないような細身で小柄な体格で、初対面ではかなりナメられやすい外見では、あるが。  怒らせたら、とても怖い。  ということは、念願かなって優と同じ職場に!  ようやく異動してきてからのここ数ヶ月間で、きっちり周囲は脅しつけてあった…。    *  約束通り屋外作業班のランチタイム入り少し前には間に合うようにと自分の仕事はさくさく片づけて、業務用バイクを駆ってA地区ハウスに辿り着くと。  可愛い優の可愛いおしりにとっては完全に無害で安全な、穏やかで賑やかな中高年組と一緒に。  午前中に回収されてとりあえず泥と枯葉だらけのままで積み上げられている壊れた野外監視カメラの簡単な清掃と、修理業者送りのための梱包作業に従事していた優をみつけた。 (…よかった。ちょっとくらい体調が悪くても、なんとかこなせる作業だ…)  配慮してくれたのであろう現場の上司に感謝しつつ、まじめな優が心苦しくならないように。  定刻まできちんと外で待ってから、いま来たようなふりで声をかける。 「スグル~! メシ持ってきてやったぜ~!」 「…ひゃひゃひゃ。まぁたユリってるのか、お嬢ちゃんたちw」 「若いな~w」  男女半々くらいの林業中高年組は、手や腰は出してこないがセクハラ発言は大好きだ。 「うっるせーな。おれは男で、こいつは両性!」  見たかんじまちがいなくバラ族よりユリカップルだという自覚はあるが、断固としてこの場合はおのれの男性性を主張しつつ。  使っていた道具をきちんと整理整頓してから、のたのたと汚れた手袋をはずして、よたふらと歩いて来る優をゆっくり待って。  当日専用の個室カードで鍵を開けてもらって、一緒に中へ入った。 2.決意と実行 「はぁ…。…おなかすいたぁ~!」  ぐったりとしながらも、まず律義に汚れた作業着を脱いでドア脇のハンガーにきちんとかけて、手と顔を洗いはじめる、  …すぐるの短パンおしり…。  機嫌も顔色も悪くて。  いつものようにフランツの顔を見つけたとたんに嬉しそうに笑ってくれるということも、なかった。 (これは…たぶん… やっぱり…  広明や、ミロウシたちの…「したいけど、あえて、しない」って選択が、  正しい。  …んだろぉ。…なぁ~…?)  フランツの利己心と股間の事情と、  理性と良識と。  それから優への、友愛と恋情と同情が…、  嵐のように激しい、シーソーゲームを繰り返す。  …まずはともあれ…。 「あれ? 食欲あったか? やべぇ。やらかいもの中心にしちゃったぜ~?」  もちろん優が大好きなチーズケーキ類と香草茶などは複数確保してきたが。  あとは卵パスタとかリスタルラーナ風ビタミン強化健康パテとか、  日本式おじやとか…  胃にやさしげな、噛まない系の、がっつりではない、メニューばっかり。 「…えっ 嬉しい♪ ぼくの大好きなもの、知ってた…?!」  広げた二人分のランチトレーの上を見たとたん、いつもの調子を取り戻してくれた優の笑顔が、ぱあっと輝いた。 (…量だけは多めに持ってきたから、とにかく、よかった…。)  フランツは安堵する。 「いただきま~す♪」 「おう♪」 「これ幾らした? あとでちゃんと払うからね?」 「…いいって。これはおれの奢り。」 「だめ。」 「昨日ミロウシに酷い目に遭わされたんだろ? そのお見舞い。」 「だめ!」 「…じゃ。あとで、ミロウシに請求しよっかな…」 「…それは、ありかも…。」 「慰謝料だよな?」 「う~ん…。そしたら… ぼくが、ちゃんと怒ってあげたら、  ミロ、元気になるかな…?」    * 「やっぱべつにスグルとしては、犯られても嫌じゃなかったわけだ?」 「うん。ぜんぜん?」 「どういう状況よ」 「ぼく寝てて… 起きたら、ミロのが、ぐいって。  おしりのなかに、入ってきてて…」 「あうと! それ犯罪!」 「だとは思ったけど… ミロ泣いてて…」 「なの?」 「ぼくのこと可哀想だって! …泣きながら、してたから…。  変なの…。」 「それはまた…」  情景が想像できすぎて、  困る…。 「ぼく地球人のことって、やっぱり全然わかってないからさ~?」 「まぁそりゃしょうがないだろ? 半分しか地球人じゃないわけだし」 「でもミロが可哀想だよ! ぼくはべつに嫌じゃなかったのに、ミロがなんで自分のことを、あんなに!  …悪く思うの…?」 「…それは…。 …ちゃんと、言ってみたのか…?」 「…言ったんだけど… 言ってみたら…  なんでか、ますます落ち込んじゃって…?」  フランツはあたまを抱える。  どんだけ無器用なんだ、こいつら…。 「…あいつ、たぶん勃起阻害剤の反転症状だったって、…知ってたか…?」 「えっ? なにそれ?」 「なんか様子が普通じゃなくなかったか?」 「うん… 変だった…」 「今朝見たろ? あのビデオの資料。」 「うん。」 「あれ一昨日の夜、おまえがアーリーに犯られてるの監視するハメになる前に、たぶん飲んでたんじゃねぇの?」 「えっ? …………? なんで……?」  フランツはちょっと座礁する。 (そこからか…!)      * 「おまえがアーリーに犯されてるところなんかすぐそばで我慢して観てたら、ミロウシのが、おっ勃っちゃうだろ?  そうなったら次は自分がスグルのこと犯したくなっちゃうだろ?  …それが、あいつは、いやだったんだよ…。」 (まぁ結局、その努力が無駄に…  というか、最悪の結果の裏目に、出ちゃったらしいが…) 「…………… なんで……………?」  疑問詞いっぱいで小首をかしげる  優が…  天使…!  フランツは、苦笑して降参した。 「あとで俺が添い寝の前に、ミロウシも呼んだから。飲み会。しような?」 「え~?」  優が。  …嬉しそうだ…。 「仲直り、したいんだろ?」 「うんそう!」 「手伝ってやっから。」 「ありがとうっ!」  …やっぱり自分は聖人君子にはなれねーや!  至近距離での優の無邪気な満面の笑顔が。  どっかん!  …と、おのれの股間を直撃するのを自覚して。  フランツは、悟った。 3.プラン・ドゥー・シー。 「…喰い終わったか?」 「うん! おなかいっぱい! ありがとうっ!」 「歯ぁ磨くか?」 「…えっと…。 磨いたほうがいい…?」 「 ? 昼飯の後、いつも磨いてなかったか?」 「…磨く時もあるよ? …今日のは、油っこくなかったし。  香茶も飲んだし…」 「あ~なるほど。」  優はむしろ、今すぐ眠りたそうだ。  ゆらゆら…  揺れている。  昼休みは、あと二時間半。  ミロウシや、…広明なら。  …自分の股間の欲求は後回しにして、眠らせて、やるんだろうけど…!    フランツは。  手を、伸ばして…  抱きしめた。 「うふん。」  いつも。  フランツが、抱きしめたり触ったりすると、優はくすくすと笑いはじめる。  誰にでもそうなのかと聞いたら、フランツにだけだと。  なぜか、笑いたくなるのだと言う。  くすくす。  くふくふ…。  嬉しい…!  それはたぶん、優を抱きしめた時の、フランツの。  嬉しい…気持ちが。  宝物を、  …やっと!  この手に、つかめた嬉しさ…! 「…うふん?」  この、気持ちが、伝わっているのなら…!  フランツは、そっと抱きしめる腕の位置を動かして、唇のはしに軽くキスをする。 「うふん?」  優は子どものように嬉しそうに、にこにこ、にこにこ、している。  キスする。 「くくくっ」  なにがおかしいのか。  鳩のように笑う。  キスする。 「うふふ… フランツ、変なの!」 「変か?」 「おっかしいよぅ…」  笑う唇に、深くくちづける。  笑顔のままで、熱くなった吐息が…  あふれる。 「ぅくく!」  歯をなぞる。  舌を… 「ぁははっ」  絡ませると…  笑う。笑う…。  熱い。  そのまま…深く、深く…!    * 「…キノコがにょっきり。」  何分も何分もたってから。ようやく。  濡れた唇を、なごり惜しげに離して…  フランツがそう言うと、優は笑いころげた。 「スグルくんの洞窟に入りたいでーす!」 「やだそれwwwww」 「…疲れてるなら、手ぇ貸してくれるだけでもいいけど…?」 「え~? ………ううん…?」  優はぺたんと仮眠ベッドにうつぶせに倒れ伏し、やおらお尻をぐいっと上げると!  みずからさっさと下半身を!  ずるりと…  ひん剥いた。 「へいき~。フランツの細いし、時間も短いし~!」 「…またそういうことをこの半分ユーヴェリーさんは、  さくっと平気で言いますよと…」 「えっ? …なにか、まずかった…?」 「まずくない、まずくない…。  スグルくんの負担になってないなら、それでい~や ♪」 「…???」 「でも、おれ、そっちじゃなくて~!」 「…?」 「前…。向いて、くんない…?」 「え? …うん。いいけど…?」  すなお~に! うえむいて!  …脚を開くな~っっっっ!        (赤面。あんど、内心絶叫…)。      * 「ありがとスグル♪ …でも、ちょっと、待っててな…?」  ちゃんと用意持参したコンドーさんを、息が上がって心臓がハネ跳びそうになりながらも、いそいそと急いで、きっちりと…  嵌める。 「…フランツって…」  また呆れた顔で優が。  観ている。 「する時いっつもソレつけるけど…  ぼく、おしりのあなで妊娠しないよ~?」 「…妊娠しなくても! 誰かとする時はちゃんと、つけるのが礼儀なの!」 「感染症の心配なら、ぼくいつも終わった後で自分で殺菌してるってば…」 「…そもそも、そこがおかしいんだよッ!」 「………どこが?」 「…え~っ………とぉ~………ッ!」  女性が相手なら当然の常識で、男同士でも自分が挿れられる立場であれば、絶対にそこは譲れない!という最低限の、  セックス相手の、良識チェックポイントの。 ( …モラルもルールも一般常識も、優は、理解できてない…!)  …ちょっと、泣きそうな気分になり…  あやうく、萎えかける…。 (…どんだけ粗末に粗略に雑に乱暴にッ!  扱われて来てんだよ、コイツ……!)  自分にとっては。至高の宝物である。  …生きものを…っ!    * 「…きのう一緒にいたおっさんは? コレ、つけてくんねぇの…?」  あえて…  自分の傷口に、塩を塗ってみることにした…。 「…おじさん?  …なんで知ってんの…?」  眼をまるくしてる…。  あ~そうか。 「ゆうべミロウシが玄関まで迎えに行った時に、たまたま一緒にいたんだよ」 「あ~そうなんだ…。おじさんは… 最初の洞窟探検のときにも…」 「…洞窟?」 「…って、おじさんも言ってたんだよ~。ぼくのおしりの穴のこと。  ぼくまだ十歳でさ。一人で外に出たのも初めてで。  何も解ってなかったからさ。 判りやすいように、洞窟探検ごっこ~♪  …って、遊び風に…仕立てて説明してくれたの ♡」 「…へぇ?」  フランツの眼つきが極端に悪くなる。 「…おじさんは、つけたこと、ないなぁ。そんなの…」 「…………へぇ~………??」  ちょっと、声が、とがる…。 「…でも、終わった後は、おじさんはちゃんと洗うの手伝ってくれるよ…?  フランツだけだよ? ぼくにソレするの。  …変なのぉ…w」  M字開脚したまま流し目で無邪気に笑う。  半裸の、聖天使…。 「…ミロウシは…?  高校ん時までは、しょっちゅうやってた仲。  だったんだろ…?」 「…ミロ? …それは…つけたこと… ないよ…?」 「……………へぇ~……………ッ!」 ( …ガキの分際でぇッ…! いきなり中出し三昧かよッ  …おれの! おれの…! スグルに! ぃ…ッ!!!!!) 「…? フランツ…? なんで… 怒ってんの…???」  …天使。すぎるだろ…!!!!!    * 「…じゃっ! 失礼して! 入らせていただきまーっす…!」  ちょっといろいろと…萎えてんだか勃ってんだか、よくわからない心境に陥りながら…  礼儀だろ? と、きちんと入室?の挨拶をして。  優が可愛くこくんと頷く、了承のサインを確認してから…  そーっと…  挿しいれる…  そーっと…! 「…痛く、ないか…?」  至近距離から、優が。  自分を、見ている…。  フランツは、もうずいぶん、何度も何度も!  ここしばらくは毎週末ごとのように…  交わって、も。  この…  至近距離での、優との見つめ合いには…  …馴れない…っ!  心臓が… ばくばくする…  息が… あがる…! 「…スグル?」 「…痛くなんかないよ~?  フランツ、軽くって、小鳥みたい…w」  くすくすくすくす…。  揺れる。  おしりの、あなが…!  笑って揺れて!  くりくり!  締めつけてきて…!  笑う…! 「………ぅぉぅ…!」 「…え? 痛い…?」 「いやいやいや… スグルくんの中が…  しまって最高~!」 「…えぇ~??」  くすくす、うふふふふぅ… 「…っ …あっ!?????」 「おれが、でかくなってるの…  感じる…?」 「………フランツのえっちっ!」 「…そんなコトバ… 知ってたんだ…?」 「いやん! 変な、こと、考えないで~っ! …wwwっ」  ぐいん…!  キノコが!  育った…!      *  優はとてもリラックスした、幸せそうな、うっとりした…  瞳で。  フランツの両眼をのぞきかえして、にっこりして、紅い顔して。  フランツの肩にしがみついて、両足は腰と背中にからみついて。 「…ぅふ! ぅふ! ぅふ! …ぅふふ… ぅ! …ぅふぅっ…!」  笑ってるのか?  喘いで、いるのか…? 「…ぁっ! …ぅぅんんん…! ッッ!」  ときどき意地悪して、唐突にリズムを変えてやると。  怒ったようにハネ上がって、  ちろりと…  睨みつけてくる! 「…こう… か…?」  キモチのイイ律動と、ちょっと違うらしいリズムが、ある。  らしい…  さがす。  さがす…。  すぐるの。  いちばん、きもちのいいうごき…  を。 「あぁぁぁぁ!」  …啼いた! 「…きもち… いいか…?」  汗がしたたる。  優のうえに…  優の…  からだに。  フランツの…  汗が。 「…あぁ…っ え! …ち、がうも…っ! ん! ??」 「…ちがう、の…?」 「ぼく…じゃ…、なくて…ぇ!」 「なくて?」 「フランツが! …ぼくで、きもち、…いのが!  …イイ。のぉ…ッ!!」  喘ぐ。  …啼く。 「そっか…」  汗が…  噴き出す。  ごめん。  リズムが…  早く、  …なって、…しまう…!!    * 「あぁッ!」  始める前から、細くて時間も短いと。  評されたとおりの結果に、終わってしまったが… 「…すぐる…?」  瞳が、揺れている。  嬉しそうに…  きらきら。 「…………えへぇ…。」 「すぐる?」 「…気持ちよかった… フランツの。」 「そう?」 「フランツの… ぼくのなかで気持ちイイ感じのが…  きもちよかった♪」 「そっかぁ…」  安心して。力が抜ける… 「よかった…。」  それについてだけなら。絶対の、自信がある。  この先、なにがあったって。だれが、ライバルだって…  フランツは。  優を腕に抱いて。  キスして。  挿れさせてもらえて。  よかったと、  応えてもらえれば…。  いつだって。  いつまでだって…。  すぐるに。 「きもちよかった!」と、  言わせる自信は…  ある。    *  息を…  整えて。  抱きしめたまま。  挿れたまま… 「あのさ。」 「なに?」 「こんな体勢で… こんな、どさくさまぎれでさ。  あれなんだけどさ。」 「…なぁに?」  少し姿勢を入れ替えて。優の素肌に自分の腹がぴったり重なるように。  両手のひらも、ぴったり合わせて。  五本の指を優の指のすきまに互い違いに差し入れて…  にぎりこむ。  ぎゅぅっと。 「…なぁに…?」  優も!  握り返して、くれた…!  嬉しくって、目がくらむ。  優も。  笑った…! 「あのさ…」 (がんばれ、おれ!) 「結婚して! …くださいッ!」 「…え?」 「もっぺん言うか? おれと…」  とうぜん織り込み済みだったので。  きょとんとして可愛く聞き返されたくらいでは、引くわけにいかない。 「…結婚。してくださいッ!」 「えぇぇぇぇぇぇえ…ッ!?」 「…あ☆」  あんまり驚いた優が。  ぎゅっと、のけぞって、  …ぎゅっと!  おしりの、…まんなかに。  力が入ってしまって…  しめつけた。  ので…!!!!!! 「…ぅおッ?!」  キノコが!  また、  育った…!!!!!! 「………あ?!」 「………ごめん。…もういっかい。…いいか…?」  優が!  …爆笑。した…wwwwwww  止まらなかった…!  wwwwwwwwwwwwwwwww  フランツは萌えつきて、悶え死んだ…                     ( いつか、 つづく。) (すいません…!)
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