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コードネームブラックスネーク
俺は…カイト.レミングトン…父はアメリカ人で…母は日本人のハーフだ。
職業は軍人…かつて米軍特殊部隊の中で秘密裏に暗躍する部隊に所属してブラックスネークと呼ばれた。
俺がロクでもない軍に入って人殺しをしていた理由は…両親がテロに巻き込まれて死んだ復讐をしたかったからだった。
俺も胸に破片が刺さった大怪我をしたが何とか生き延びた。
それで高校を卒業してすぐ軍に入って過酷な訓練に耐えて特殊部隊に配属する事まで出来た。
俺の任務はテロリストの施設破壊や抹殺、裏で危険な人物の暗殺など様々な殺しの仕事だった。
この手で殺めた人の数は俺が25になってから数える事をやめたほど多かった。
それに名前通り…蛇のように慎重で臆病だった俺は43になるまで一回も任務の失敗は無く…軍の噂にはいわゆる伝説的な存在にまで称えられた。
その伝説的人物もまた人間…病気には勝てない弱い生き物だ。
44になって病気が悪化していた俺はトイレで急死した。
うんこしてる最中に便秘で苦しんだ俺は…思わず力を入れ過ぎたせいか…脈が上がり過ぎて心臓が止まってしまった。
そう…俺は心臓病だった…テロに巻き込まれて胸を怪我したのが原因と…過酷な任務によって日に日に悪化していた。
くっそ…久々に盛り盛り出る最中だったのに…あんな恥ずかしい死に方をするとは…不覚!
お願いだ…誰か…誰か…水を流してくれ。
死んだ俺は死神に導かれて神の前に立たされた。
俺はその神とやらを見た瞬間身構えてしまった。
言葉で表現出来ない程の気迫…無防備の姿にもかかわらず…隙がない。
頭の中であらゆる攻撃方法をシミュレートしても勝ってないと判断した。
こんな化け物は初めてだ…さすが神!
「…そんなに怯えなくて良い」
「……」
「ふむふむ…任務と言え…これ程の命を奪って来たとはな…驚いた」
神とやらは俺が殺めた人のデータを調べていた。
「まあ…地獄行きに決定だが…中々の人材だな…」
神とやらは俺を見てにやけていた…。
あの笑い顔…腹黒い俺の上司ドナルド中将閣下と同じだった。
何か企んでるに違いない!
「カイトレミントンよ…君に一仕事頼みたいんだが…受けてくれるか?」
やはりそう来たか…。
「私を雇うと事で…相違ありやせんか?」
「そうだな……そう考えて違いないが…君には拒否権がない」
「…了解、では…私の所属と階級…そして任務を教えて下さい」
「…所属?階級?…面倒なやつだな…そうね神勅令隊として…階級は…君の生前のままでいいや…」
入隊してその日に大佐になるとは…神とやらは気舞のいいやつだった。
「ありがとうございます!神閣下!」
「…閣下って…まあいいや…では任務のブリピンクを…」
神閣下は大量の書類を俺に渡した…埋もれたら軽く圧死しそうな量だった。
「それは…余が留守の間に代行の神々がやらかした報告書でな…」
俺はその書類を何枚か取って読んだが…人のプロフィールのようなものだった。
「神閣下…これは何でしょう?」
「うむ…それがな…不当に能力を与えられた者と前世の記憶があるまま生まれ変わった者と無断で別世界の人間を呼び寄せたり…迷い込んだ人のリストだ」
……意味がわからない
「ふむ…君はその辺は詳しくないようだな…まずこれを読め…ほれ…」
神閣下から何冊の本を渡された。
それで…俺はじっくり時間をかけて読んだ。
「おい……ハマるなよ…それと…その歳でクスクス笑うのはやめろ…気持ち悪い」
神閣下から貰った本を読んだ俺は大体理解出来た。
「なるほど…いわゆる不当なチート能力を持った者を処理する仕事ですか?」
「理解が早くて助かる…本当にあのバカ共め!ミスで死んだから?人助けで死んだから?それでチートをポンポンあげるの?もうちょっといい発想はないのか?頭悪すぎだろ?前世の記憶があるまま転生させる?巫山戯てんの?世界の文明とパワーバランス考えろや!バカやろ!あーもう!そのせいでチート持ちが一体何十万人だ?そいつらがどんなに異世界で暴れてるかわかってんの?何の因果もなしでポイポイとまぁ!馬鹿じゃないか?国を滅ぼすわ…魔物を使役して暴れるわ…国を作って好き勝手してその後は放置するわ…飽きたからスローライフ?舐めてんのか?挙句に異世界に転生させようとした女神の一人は馬鹿見たいに連れていかれるしよ…余裕があったらあいつも回収してくれ…」
本当にドナルド中将閣下と同じぐらい凄い愚痴だった。
「この数…全てですか?」
「そうだ…」
「期限は?」
「ない…だが早めに頼む」
「了解致しました」
俺は神の勅令でチート持ち共を一掃するため異世界に行く事になった。
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