5人が本棚に入れています
本棚に追加
ふと、部屋の中に入る前に少しだけ後ろを振り返る。
そこにあるのは美しい満月と、高い塀に囲まれた大きな日本庭園。
ここは、どこにも行けない、私のお城。
その光景に、また夢の中の彼が思い浮かんだ。
『…思い出して。』
私は、彼の名前も。何度も繰り返し見る夢の理由も。そして、あの時楪の表情か哀しげなものに変わったワケも。
私は何も知らない。
だけど、
ほんと少しだけでも、
あなたに近づきたくて。
私は今日も、
思い出せないはずの彼のことを
思い出していた…。
最初のコメントを投稿しよう!