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しばらく見惚れていると、彼の瞳が私の姿を捉える。その瞬間、彼の瞳に深い悲しみの色が浮かんだ。
私は、この一瞬がとても苦手だ。何度も繰り返し見るこの夢で、私と彼は幾度となく目が合って、そして彼はとても悲しそうな顔をする。
その表情が苦手なのに、それでもいつも目が離せないのは、彼の瞳がとても儚く、今にも壊れてしまいそうだからなのかもしれない。
しばらく彼の瞳から目を離せずにいると、視界が少しずつ白く霞みはじめた。
白い霧が少しずつ濃くなり、彼と私の視界を阻む。
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