一杯目

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一杯目

『キーンコーンカーンコーン』 学校のチャイムが鳴った。授業という悪魔から解き放たれた学生たちは有意義に過ごす。 そして、今のチャイムは昼休みが始まった合図。各教室にいた生徒は友達と談笑しながら食堂に行ったり、教室で弁当を食べたりと有意義に生徒は過ごしていた。 しかし、ほとんどの生徒は学食の方に行く。そんな中、僕は母親が弁当を作ってくれるので教室で食べている。 もちろん、友達だっている。…いることにはいるが…僕が『陰キャ』なら彼h 「健くん!昼食べよう!」 そうこの、『陽キャ』で『かこかわ(かっこいいかわいい)』である。 このラノベなんかにいそうな男、『阪口(さかぐち) (れん)』はスポーツ抜群で成績もランキング5位以内というラノベにいる高スペック男でこの僕『宮本(みやもと) 健一(けんいち)』の唯一無二の友人であり彼の友人キャラポディションである。蓮とは小学校からの付き合いで一緒にゲームしたり高校1年の時はカラオケにも一緒に行ったりした。ちなみにその時歌った曲は蓮が流行りの歌で僕はアニソンである。…別に何歌ったっていいじゃん。減るもんじゃないし。 そして、そんな彼はサッカー部の友人を差し置いてこっちに来るわけだからクラス中の目線(主にほとんどの女子からの殺気の目)がこっちに集まってくる。 「…いいのか蓮。」 「ん?何が?」 そんな気が抜けた返事をしてきた。僕は少しため息をしてしまった。 「サッカー部の連中と昼を共にしなくていいのかと言っているんだ。」 そんなことを聞くと蓮は、コンビニで買ってきたであろうおにぎりを口に含みながら答えた。 「んむなのむ、へぶんいい」 なんて言っているのかわからなかった。 「汚い、わからない。口の中のものをさっさとなくせ。」
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