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「何のつもりだてめえら……!?」
身を捩ろうにも、身体中のどこそこを拘束されて儘ならない彼のボトムのジッパーがジリジリと下ろされて、泥で汚れた白いスーツと同じ色の木綿の下着があらわにされてゆく。
「ふざけたマネしてんじゃねえっ! 放しやがれ、この野郎ッ!」
半信半疑の破廉恥な仕打ちに対して威勢のいいのは最初だけ――男たちに背後から拘束されながら着衣を剥ぎ取られてゆくのに呆然となった。
胸飾りの突起を指の腹で撫で回されながら、下着が腰骨の位置まで下ろされる。ここまでされて、強気だった美しい彼の顔は次第に蒼白へと翳った。
「……ンのッ、クズ共が! よさねえかっ……!」
焦って裏返った抵抗の言葉、それを面白がるように彼を拘束している男の指が口中に突っ込まれ、同時に彼の薄茶色の髪までもが掴み上げられた。
「やめろと言ってる……! ッくしょう、放しやがれっ! 退けっ!」
「うるせえっ!」
男たちの中の一人が暴れる彼の頬に数発、平手打ちを食らわせれば、整った唇の端が切れて少しの鮮血と紅い痣が浮かび上がった。
凛とした気高そうな視線が苦渋に歪み、だがそれでも屈服の意思を未だ見せない気の強さに相反して、ズタボロ一歩手前の傷だらけの姿は欲情ともつかない奇妙な憐情感を焚きつける。
――今現在、自身の目の前で繰り広げられている光景だ。
おそらくは老若男女を問わずに彼を見た殆どの者が美しいと思うだろう顔立ちの男が一人、複数人の男たちに囲まれて辱められようとしている様。
引き裂かれた服から垣間見える肌に思わずカッと頬が染まる。
激しい抵抗も虚しく、痴態がさらされていく様を、ただただ絶句状態で見つめていた。
◇ ◇ ◇
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