衝撃の残像

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 そんなことにはお構いなしに師匠の氷川はシャッターを押し続けている。 「もっと! もっと(たま)んねえって表情を強く出して! イかされちまう瞬間みてえな表情(かお)欲しい! 喘ぎ声も色っぽく――! そう、そのまま視線こっち!」  そんな注文通りに組み敷かれている彼が地べたの泥にまみれて身を(よじ)る。 「やめ……ろ! ……っ! はっ……!」  生々しい吐息が至近距離で耳元を侵す。  知らずの間に身体の中心が硬く熱く欲情させられてしまったことに焦って、遼二は思わず身を屈め、持ち上げていたレフ板を転がしてしまった。 ◇    ◇    ◇ 「バカッ! 何やってんだ! いっちゃん山場のシーンなんだぞ!」 「……っすいません……!」  慌てて板を拾おうと手を伸ばしたが、完全に勃起してしまったらしい自らのモノが、きついジーンズの中でどうにもならない。  そんな変調を周囲に気付かれんと、焦りは最高潮――慌てふためく。それ以前に痛いくらいに膨れ上がった欲情が恨めしくてどうしようもなかった。
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