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 今、ここにアンタがいたらきっと抱いてしまう。我慢できずにアンタのすべてを俺のものにしてしまうだろう。  あの写真の中でアンタを犯していた見知らぬモデルの男にとって代わりたい。  こんな気持ちになるなんて思わなかった。  男を相手にこんな行き場のないような気持ちを持て余すだなんて、思いもしなかったよ――!  ドクドクと身体中を逆流するような血の流れの熱さに、火照り出す欲情を最早とめようもなく、ベッドにうずくまりながら両の手で自身の肩を抱き締めた。  まるでこの腕の中におさまる紫月という男を連想するかのように幻を抱き締めて――膨れる妄想のままに、鎮まらない雄を何度も何度も慰めた。  何度も――  そう、何度でも押し寄せる淫らな波に抗えず、もはや彼を知らなかった頃には戻れない激情の(うず)に呑み込まれては、すべてがカラになるまで欲情し尽くした夜だった。 - FIN - ※次、エピソード「癪香」です。
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