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サイード殿下の国は石油産出国で資金が豊富にあり、その資金を活用してΩ用の薬を開発している。日本から渡り国王が溺愛している王妃のために。国王が出資しているハナ製薬という製薬会社の社名は華(はな)王妃にちなんでいるのは、有名な話。
王妃のために開発された発情抑制剤、発情促進剤、発情の時期を前後させる薬などΩ用の薬は全世界で受け入れられ、今ではオイルマネーより、ドラックマネーで国が潤っている。Ωが優遇される政策から、Ωの移民も多く、優秀な子どもたちも次々に生まれていた。
対して日本では、未だにΩへの差別があり、Ωの大学進学率は極端に低い。僕の大学でも5000人程の学生のうち、Ωは8人だった。
自分の第2の性は口にしないのがマナーだというのに、なんでΩが8人だとわかったかというと、一堂に集められたことがあるからだ。
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