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だけど、それから分かっていったのだ。お姉さんは〝帰って行く人〟であり、ここで私たちの面倒を見てくれているのは〝お仕事〟なんだってことを。
私がショックで打ちのめされたまま、仕方がなくベッドに戻って布団をかぶると、物音で目覚めたのか、隣のベッドに寝ていた同い年の咲ちゃんが起き上がったのが見えた。
「あら、咲ちゃんも起きちゃった?」
おばさんが声をかけると、咲ちゃんは眠そうな顔でうなずいた。
「ねえ、おばちゃん。咲が眠るまで、お手てつないでいてくれる?」
私はそれを聞いて驚いてしまった。だって、その言葉はいつもいつも咲ちゃんがお姉さんに言っていることと、まるっきり同じだったのだ。
「あらまあ、夜中に目が覚めて恐くなったのかしらね」
おばさんはクスクスと笑いながらベッドの横に座ると、言われた通り咲ちゃんと手を繋いであげていた。
咲ちゃんは誰でもいいの? お姉さんじゃなくても、一緒にいてくれるなら誰でもいいの……?
そんな気持ちが私の心の中をグルグルと回っていった。
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