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世界で最後のプロイセン軍。
さてさて、軍事ネタをもう一個続けたいと思います。
現在。
世界で唯一、プロイセン王国orドイツ帝国の軍事的伝統を頑なに守っている国があります。それはどこでしょう?
皆様、おわかりになりますか?
現在のドイツ?
いえ違います。
かつての大ドイツ帝国は滅びましたし、現在のドイツ連邦軍はボンヤリと引き継いでいるだけで、かつてのプロイセン由来の純な軍事的伝統はひきついでいません。
また上記の質問の国は第二次世界大戦中はガッツリ連合国側で参戦してますので、ナチスとも関係ありません。
むしろ敵でした。
しかもこの国、ヨーロッパに位置する国ですらありません。
では、皆様。
この本家が失った伝統を金科玉条が如く文化として引き継いでいる。まるで、かつて存在した中国の文化をイロイロあって喪失してしまった本家中国のように、わざわざ研究しにきたり質問されにくる日本のような国はいったいなんでしょう?
答えは、南米の国土がやたらと上下に細長い国で有名な、
【チリ共和国】
です。
さあ皆様。
ここで一旦読むのをやめて、YouTubeなりなんなりの動画投稿サイト、またはTwitterで以下の文章で検索してみましょう。
【チリ軍 プロイセン軍】or【チリ軍 ドイツ軍】
これで出てきます。
見ましたか?
見ましたね?
どうです?まんま第二次世界大戦前か第一次世界大戦前にタイムスリップした感覚を味わえたでしょう?
特徴的な鉄兜のてっぺんに角みたいに生えた“ピッケルハウベ”の騎馬部隊の群れ、まんま世界中の人々がドイツ軍やん!と認識できる軍装をして、ドイツ軍の軍歌(スペイン語版)や行進曲に合わせて足を高く上げるガチョウ足行進(グースステップ)で整然と進む軍人たちの群れ。
これこそまさに現代のチリ軍(正確には士官学校生の軍装など・一般軍は西側の軍装装備。でも行進曲に合わせてグースステップはする)なのです。
かたや、あれ?アマガエル色なベレー帽が可愛くね?足も上げないし、なんかショボへタレてる。強そうじゃないよ。な方が、現代ドイツ軍の方です。
まあ、好みもあるでしょうが、なぜか戦国時代の甲冑武者どもの進軍姿がグッときちゃうように、なんかこう、そう、なんかこうね。
スッゲ面白そうな雰囲気がバンバンなの!
まあ、これに混ざりたいとは思わないのがミソなんですが、集団生活無理なんで、個人主義バンザイ!な、うちなんで、みんなで頑張ろう!とか無理なんで、もうほっといて!ひとりにしておいて!←メンドクサイ奴代表
さて、うちの個人的な志向は無視して、実はチリ軍。
現在、中南米随一の第二次世界大戦前からかなり整備された軍隊になります。
わかりやすく代表的な装備を解説すると、
チリ共和国 人口1895万人(2018年)徴兵制
陸軍 45000名 6個師団基幹
主力戦車 ドイツ製レオパルドⅡA4(140)
ドイツ製レオパルドⅠ(202)
歩兵戦闘車 ドイツ製マルダー歩兵戦闘車(200)
アメリカ製AIFV-B (164)
装甲車 スイス製モワク ピラーニャ(300)
アメリカ製M-113(427)
自走榴弾砲 アメリカ製M-109(30)
自走対空砲 ドイツ製ゲパルト(24)
などなど。
空軍 8600名 5個航空旅団基幹
主力戦闘機 アメリカ製F-16C/D Block50(46)
アメリカ製F-5E/F(14)
などなど。
海軍
通常動力型潜水艦 フランス・スペイン共同開発スコルペヌ型(2)
ドイツ製∪ボート209/1400型(2)
フリゲート オランダ製カレル・ドールマン級(2)
オランダ製ヤコブ・ファン・ヘームスケルク級(2)
イギリス製23型(3)
イギリス製22型(1)
などなど。
非常にバランスの取れた優秀な軍備を有しており、整備状況も世界的に見て異様に高い日本は別格にしても割と良いようです。
これに対して、元祖プロイセン王国の流れを組むみんな大好き、強い!コイツ強いぞ!!でおなじみの、
ドイツ連邦共和国 人口8300万人(2018年)志願制 現在184000→220000名へと人員増大中
ただし軍隊の骨幹たる将校の人員不足率の高さ、訓練不足、整備不良率の高さに補給品すらないなどの状況は致命的で、むちゃくちゃな軍備削減で招いた軍事的空白は国内においても欧州の恥・NATOのお荷物と称され、海外からは今のドイツ軍は第二次世界大戦末期のひどい状態よりも最悪。今ならドイツに余裕で勝てる。とまで言われており、それを払拭しようと前政権以上に異様にあらゆる削減に励んだ現政権は躍起になっているが、一度無くしたものは、なかなかには復活しないような状態である。
ドイツ陸軍 ちょっと前まで大量の保有戦車などを世界中でバーゲンセールしてたでお馴染み
主力戦車 ドイツ製レオパルドⅡA各タイプ(328)ただし運用可能なのは帳簿上このうち(101)
歩兵戦闘車 ドイツ製プーマ(345)ただし運用可能なのは少数といわれている。
ドイツ製マーダー(382)ただし運用可能なのは帳簿上(212)
装甲車 フックス(907)ただし運用可能なのは帳簿上(525)
うん。もういいや。なんか辛くなってきた。動かない戦車なんかただの鉄の箱じゃん。しかも弾も少ないみたいだし、補給品もないんじゃ‥‥。
ねぇ、帳簿上の数字、ウソだってみんな知ってるよ。
ドイツ空軍 飛ばない豚でお馴染み
主力戦闘機 欧州共同開発ユーロファイタータイフーン(141)ただし運用可能なのはこの半数以下、もしくは3分の1以下と言われている。
戦闘攻撃機 欧州共同開発トーネードIDS(60)ただし運用可能なのは‥‥以下略。要するに大体飛ばない。
うん。知ってた。
戦闘行動可能なのは実は少ない戦闘機隊。理由は空対空ミサイルの不足と訓練不足、そもそも部品不足で飛べないので、タイフーンが一個中隊以下の数しか実戦で使えないと言われている(しかも一回空戦したらおしまい)
トーネードも同様の理由と、ドイツ空軍が三十年あまり放ったらかしだった欠陥で、夜間戦闘がそもそもできないという、こちらも攻撃機としてはあるまじきアホみたいな理由で使えない。
はい、次。
ドイツ海軍 実は陸棲動物でしたでお馴染み
潜水艦(6)欠陥多発、事故多発で大体動かない。つい最近まで、戦争で負けたわけでもないのに稼働艦が一隻もなくなった唯一無二の実績を持つ。
フリゲート()ミサイル撃ったらなぜか艦内で爆発したり、走ってるだけで壊れたりする新鋭ザクセン級が主力。あと意味不明なドクトリンで作った新型フリゲート4隻も、あまりのショボさに海軍が受け取りを拒否したりした。
だってこれ、作ったばっかりなのになぜか最初から傾いてる。全身これバクだらけ故障だらけで使えない。使えたとしても想定しているドクトリンがひどいので、現代戦ではまだちゃんと動く大型巡視船の方がこいつよりも役にたちそうだったから。(どっちも実戦では使えないけど、まだ動くだけマシという意味で)
うん。
強い!(違う意味で)
まあ、現代ドイツ軍は死んでる。(ドイツの政治・経済・生産技術を始めとした社会機構全体が絶賛死に体だから、軍隊もこの有様になってるんですけどね)
うーむ。たしかに元祖プロイセン軍はとっくに滅んでいたね。間違いない。
チリ共和国頑張れ!You Tubeにアップされるの楽しみにしてる!
ということで、この話は終わります。
では、また!
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