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みんなすごい。
「いたー」「来たな、女神」「女神、誰?」「苺ちゃん」
へー
「こっちよね、差し入れ?」「はー、重いよ」
三年は亮の事を覚えているから、先輩と言って寄ってきた。
それからぞろぞろとОBたちが集まってきた。
みんなが頑張れという。亮たち先輩は、みんな試合を見に散らばっていった、そう、彼らに後で見せるのだ。これから当たる学校と、もう二校のうちのどちらかが上がってくる。それは昨日見た試合でしっかりイメージトレーニングしている。
先輩たちは、明日、そして来年の事を考え応援してくれるのだ。全国大会は夢のまた夢だった、それを後輩がかなえてくれた、それだけでうれしいと彼らは言っていた。
放送が鳴り、やっと川端先生が来た、彼たちは、ちょうどいい位にじっとりと汗をかいていた。
「準備はいいな」「はい!」
「悔やむなよ、全力で行け」「はい!」
「行くぞ!」「はい!」
すごい人だ、入っただけで拍手が起きた。
カメラは、選手ベンチそばで亮がスタンバイ、苺が手を振ってる。
みんながコートに入り、ウォーミングアップを始めた、川端先生は相手チームの先生と握手していた。
さすがに、ここまでくるとかくが違う。地区予選で、東京からは三チーム出た、それだけでも夢の舞台なのに、今全国の壁に立ち向かっているのだ、本当にすごいことだ。
カメラはここぞとばかりに、生徒と先生を撮っている。
試合中はフラッシュによる撮影禁止が急きょ決まり、ビデオ以外、スマホも禁止となった、みんなが胸をなでおろした。
時間五分前、撮影が禁止の放送が鳴り、厳しく取り締まるため、退場していただきますと言われ、生徒たちの周りには、警備要員が配置された。
「プロみたいだな」
「その気になっちゃうー」
まったくあの子は、それでもみんながリラックスするならそれの方がいいだろう。
集合の合図、メンバー発表。
イケイケで押さなくては、相手は強豪校だ。
試合が始まった。
先日と同じ、二年生だけが先に出た。
こっちは準備万端だ、とにかく怪我だけはしないように祈る。
「イケー、行け、回せ、先に点入れろ!」
「速攻‼速攻!」
川端君の声が響くと動きが変わった。
相手チームも研究はしているはずだ、一年の三人は注目されている。
でも聞こえた声は、出さないという声だった、中心はあくまで、三年生。補欠も二年の子は外れて三年生が入ったりもしている。
開始、五分で四点差、まだ平気なようだが、そうじゃない、こっちがリードしなければ終わる。
「かえていく、三年、一人ずつ外すからな」
「はい」
三年の部長が外れた。
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