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瞼をついて入る光が徐々に弱まると、騒がしい程に様々な音が聞こえ出した。しかしそれらは全て聞き慣れた鳥籠での風で草葉が揺れる音や土を踏む音、ファーストウルフの遠吠え、ワイバーンの鳴き声や羽音、天龍の咆哮何かでは無い。
初めは聞き慣れない音だと思ったが、よく考えればよく知っている音だ。
じわりと胸の奥が熱くなる感覚・・・そうだ、懐かしいんだ。それはいつも普通のように聞いていた音、いつの間にか異常と通常があべこべになっていたんだ——。
金属が擦れる音、エンジン音、鳥のさえずりや、雑踏の音、人の声・・・
慌てて目を開くとそこには目を疑うような光景が広がっていた。
「これは——。街だ!俺達以外にこんなに人がいっぱいいたのか!?」
それは紛れもない街であった。木ではなく沢山の人口建物が並び、聞こえてくるのは獣ではなく人の声。夢にまで見た世界が今目の前にあるのだ、そう思った瞬間に今までの鳥籠での出来事が思い出されて、気づけば涙の粒が頬を伝って石畳に一瞬小さなシミをつくっていた。
「コウジ、どうした?大丈夫か?」
傍らでシュガーが心配そうに俺の顔を見上げている。平気だと伝えるとシュガーは心配させるなよ〜。と微笑む。
「ではそろそろご移動願えますか?」
微笑ましく笑い合う2人の間を割って入るように男は独りでに歩き始めた。
ここで置いていかれては困ると、俺とシュガーは慌てて男の背中について行った。
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