僕がダンジョンマスター?

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僕がダンジョンマスター?

「……こうして、君たちの活躍により、クトゥルフの復活は阻止されました。水平線からは美しい朝日が登り、君たちはその朝日を眺めながら、困難を極めた冒険に思いを馳せた。そして、君たちは一人、また一人と、安堵と達成感を胸に、その海岸を離れ、平穏な日常に戻っていくのでした。シナリオ【海津神の伝説】終わり」 静寂の中、ゲーム進行役のキーパーの箭内孝之がそう告げると、テーブルにいる4人はを堰を切ったように話し出した。 「うーん、やっと終わったー。良いエンディングでしたよ、キーパー」 「うう、このエンディングをあのキャラで迎えたかったなあ……」 「お前のキャラ死んだからなー」 「あの死に様は凄かったですよね!」 伸びをしたり、飲み物を口にしながら、各々が感想を述べている。 公立高校の敷地内、プレハブ二階建ての2階にある演劇部の部室。この日は日曜日で、演劇部が活動していない日に部室を使い、TRPGを遊ぶために、TRPG同好会の部員5人が集まり、たった今、連続したストーリーを複数回に分けて遊ぶ、キャンペーンが終わった所だ。
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