23人が本棚に入れています
本棚に追加
黒い太陽
進み始めた暴走はブレーキを失い、良心の欠片を容赦なく轢き殺す。
命の重さを計る天秤は破壊され、死神とのゲームにひたすら明け暮れる。
遠い昔に背負った傷が癒えることはなく、傷口から生まれた命に永遠の苦しみを叩き込む。
静寂に支配された命の祈りを、悪臭に満ちた空気が包み込む。
氷った時間が流れ出し、狂気が研いだ爪と牙は折れ、部屋が軋む鈍い低音は、心臓の鼓動に合わせてリズムを刻む。
赤いドラマの終焉が刻みつける安らぎの時間
黒い太陽が照りつける、夏の香りが漂う部屋
遠い昔に背負った傷を、新たな傷が再び抉る
傷口から生まれた命は、再び憎しみの彼方に
最初のコメントを投稿しよう!