凜は、おれの、

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 俺は凜が手を離そうとしても、しっかりと繋ぎ離さなかった。 家の途中にある大きな公園を横切って行く。 「悠斗!待って」 少し息が苦しいのか凜は、呼吸が早くなっていた。 俺は立ち止まり凜の方に体を向けた。 「ねぇ、悠斗…なんで私が悠斗の、って」…言った… 凜の言葉にかぶせるように俺は 「凜が好きだから…もう誰にも渡したくないから」 凜は信じられないと頭を左右に振る。 「うそ、だって悠斗は昔、私の事が嫌いって…」 大きな瞳から、雫のような涙がポタリ、ポタリと落ちていく。  俺は肝心な事が後回しになってしまっていた。 昔、言ってしまって凜を傷つけてしまった事を謝らなければいけなかった。 「あの時は、ごめん、みんなの前で、自分の想いを知られたかなかったんだ。傷つけて…ごめん」 そっと凜のそばに寄り、優しく抱き締める。 すると凜は俺の胸を手で押して腕の中から離れようとした。 強く押された弾みで俺はよろめいた。 えー。普通ならここでハッピーエンドではないのか? 凄く焦っている俺─  最悪の状況で告白した俺も悪いが…肝心な凜の気持ちを聞けてない。 「凜?」凜は顔をあげたら、長い睫毛は涙で濡れていて、指先でそっと拭いてやる。 「私、ずっと悠斗が好きだった」 俺はあまりの嬉しさで、もう1度凜を腕の中に閉じ込める。 「俺も凜がずっと好き」 今度は凜も俺の背中へ腕をまわし、ぎゅっと包んでくれた。  2人の心と体が温まり落ちついた頃、俺は凜の顔を覗き込み、両手で凜の頬にそっと添えて、凜のぽってりとした唇に視線を落とし顔を近づけた。 凜の小さな呼吸を感じる。そっと凜の顔を見たら、目を開けたまま固まっていた。
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