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シャワーの後
シャワーの後、軽く髪の毛を乾かしTシャツとスエットを着て、ポフッと凜の隣に座った。
「ごめん、待たせた」
「ううん、遅くに来ちゃってごめんね?」
─どうした?
優しく声をかけた。
「なんとなく?」
なんとなく?だけで来るってないな…
「なんかあったんじゃない?」
凜の頭を撫でながら凜の瞳を覗き込んだ。
俺と目が合うと長い睫毛を伏せながら、小さく呟いた。
「男の人ってわからない…好きって言われて付き合ったのに、私がキスやその先を拒んだら冷たい態度とるようになって、他に好きな子が出来たから別れようって」
確か、凜が付き合い始めたのは同じ大学の佐野って奴で2ヶ月くらいになるのか。
考え込んでいたら凜は震える声で
「私、子供ぽいのかな?まだ早いんじゃないかとか、本当に好きなのかな?って考えると出来ない」
恋愛は女は心が先で、男は本能が先か…
「凜はまだ気持ちがついていけてなかったんじゃないか?好きならばキスしたり、その先もって相手を感じたいと思うはず…焦らなくていい」
あー。俺は、なんのアドバイスをしているのだろう。
「そっか、ちょっと安心した」
えへへと自分の気持ちを隠すように、口元を隠して笑っていた。
でも、好きと告白され、思うように付き合えないからと簡単に別れを告げられたのはショックだと思う。
無理して笑っている笑顔を見ると
俺まで心が痛くてたまらない。
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