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「よくわかりませんが、楽しそうですね」
「きみはよう一人で生きてきたな、寂しないの?」
「寂しいを理解できません」
「そうやな。そら、何百年も何千年も一人でおったら、寂しいとかそんなんいうてられへんわな」
「この星が生まれてずっと一人です。そしてこれからも一人です。阪神タイガースにはなれません」
「タイガースにはならへんのや。俺も。でも一緒に応援してくれる、仲間とかそういう友達とかおんなじ生き物がおるんや」
「仲間ですか?」
「そうや。君は一人かもしれんが、隣の星とかに君みたいな人住んでないの?」
「わりません、隣の星に行ったこともないし、行き方もわかりません」
「見た感じどう?居りそう?」
「みてもわかりません。この星の外に出たら、わかるかもしれません」
「行ってみたら居るかもしれんな。二人になったらキャッチボールぐらいはできるから。試してもええと思うで。俺は」
「外へ。ですか?」
「そうや。今日で阪神タイガース三連勝や。ツキはこっちにある。ええことが起こりそうな予感しかせえへん。今日は祝杯や。発泡酒なんかやめて本物のビールや。乾杯や!」
「楽しそうですね」
「当たり前や。阪神ファンはやめられん。君もはよ、外に出て阪神ファン見つけて、祝杯あげたって」
「わかりました、そうします」
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